会社名の由来

 

 

 当社の社名Z E Nは、企業活動の本来あるべき姿に立ち戻り(「然」)、企業活動が社会の道義にかなっていること(「善」)、企業自身が自らの存在意義を探すこと(「禅」)、そして企業を取り巻く全てのステークホルダーのためにやり遂げること(「全」)を意味します。(色紙は松原泰道老師の揮毫による書です)

 

 

  

 

 

 

 かつてマックス・ヴェーバーは、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(1905年)において、営利の追求を敵視するピューリタニズムの経済倫理が逆説的に近代資本主義の生誕に大きく貢献したことを社会学的に究明しました。すなわち、金儲けが目的ではなく、神の栄光と隣人への愛のために、天職としての自分の世俗的な職業活動に専心した結果、富が蓄積したと言います。そして、ピューリタンは、そうした富を自ら消費せずに寄付等により隣人愛に使うことになったことを指摘します。他方で、そうした活動は、意図せずして、合理的産業経営を土台とする資本主義の社会的機構を作り上げることになり、儲けなければ経営を続けていくことができなくなってしまったこと、そして内面的な神の栄光と隣人愛のための活動の結果としての富の集積が、外側から強制されるようになっていったことを究明しました。こうして宗教的倫理から解放された資本主義の社会機構は、富の生産という自己循環運動を繰り返し、産業革命を引き起こしたが、そこでは資本主義の精神自体は失われていったと説明します。そして、ウエーバーは言います「単なる貨幣の操作からは健常な資本主義を作り上げる精神は生まれてこない」と。

「然」「善」「禅」「全」には、ヴェーバーのいう「資本主義の精神」の復活が込められています。それは、弊社の投資ポリシーとなっています。単なる貨幣の操作の増幅された自己循環運動がリーマン・ショックを引き起こしたことは人々の記憶に新しいところです。そして、金融資本主義や株主資本主義に対する社会的批判の高まりにともない、企業の社会的責任(「C S R」)が問われる時代になりました。そして、コモンズの悲劇を繰り返さないためにも、企業がどのように社会的責任を果たしていくかは重要な課題です。

 こうした課題の克服に対しては、企業のみならずに株主・債権者・従業員・顧客等の企業のステークホルダーの理解と力も不可欠となります。ステークホルダーもそれぞれの委託者に対する社会的責任として、企業に対して自らの持つ権限を適切に行使する使命があると言えるでしょう。ここでは、アンチコモンズの悲劇を招かないことが重要です。

 かかる環境下において、当社においては、「然」「善」「禅」「全」の理念に該当する企業への投資及びコンサルティング業務を行っています。その対象は、ベンチャー企業もあり成熟企業もあります。企業の生産性、収益性、成長性は、企業存続の必要条件にしか過ぎません。弊社の投資判断にとって最も重要な要素は、マネージメント・インタビューです。環境対応・社会責任・企業ガバナンス制度(「E S G」)の実現を、外部から強制された責任・義務の履行として捉えるのではなく、内面から自発的に行う精神、すなわち「然」「善」「禅」「全」を理念とした“資本主義の精神”を具現化するのは経営陣であると考えるからです。他方で、我々株主を含めたステークホルダーは、企業の財務配当・労働分配の向上のみならずに社会的配当(環境への貢献など)の向上が、将来的な財務配当・労働分配の向上につながることの連鎖をもっと重視すべきであると考えています。そして、企業とそのステークホルダーとの協調作業が、企業と社会の「SDGs」(持続可能な開発目標)達成のための第一歩であると当社は考えています。